断熱ガラスの種類も多くなってきましたね。カタログの数値では違いはわかりますが、実際にどれくらいの差があるのでしょうか?
これの実験で知っていただきたいのは、お部屋でエアコンをかけたときに熱がガラスからどれ位逃げてしまっているのかです。
この夏も節電の夏になりそうですが、エアコンの電源を切って暑いのに我慢我慢で我慢の上に成り立つ節電をするよりも快適にエアコンの消費エネルギーを減らしませんか?
今回は夏編なので、結露にはふれません。冬編には結露メインでがっつり実験しています。
2012年6月18日、西宮コミュニティ放送株式会社(愛称:さくらFM)で、実験をさせていただきました。
実験内容:
4枚のガラスで制作した水槽の中に氷水をガンガンいれて、それぞれのガラスの熱の伝わり方を実験します。
これの実験は、お部屋でエアコンをかけたときに熱がガラスからどれ位逃げてしまっているのかを知っていただくための実験です。
ガラスは、単板ガラス3?フロート板ガラス、ペアガラス(複層ガラス)、遮熱・高断熱ペアガラス、真空ガラスを使用。
※氷を入れる前のそれぞれのガラスの表面温度は22℃(+ -0.2)でした。
ガラスの断熱実験をするために作ったガラス実験水槽です。
この水槽は、4枚の別々のガラスで作ってあります。
1.単板ガラス(1枚ガラス)
2.複層ガラス(ペアガラス)
3.Low-Eペアガラス(エコガラス)
4.真空ガラス(スペーシア)
水槽の中の水温とそれぞれのガラスの表面温度を測定できます。
赤外線サーモグラフィは、対象物から出ている赤外線放射エネルギーを検出して、見かけの温度に変換して、温度分布を画像表示できます。
これはすごいです!欲しいけどお値段が・・・。
サーモカメラは、いつもヨネダ商店にあるわけではありません。
今回の実験は難しい作業はなく、氷水を水槽の中に入れるだけと簡単な作業です。
水槽に氷を入れた状態で30分放置しました。さて、ガラスにはどのような温度変化があったのでしょうか??
単板ガラス(1枚ガラス)の表面温度は、7.5℃でした。
実験前と比べると、-14.5℃と、熱はかなり逃げてしまっているのがわかると思います。
せっかくエアコンをつけてもガラスからこれだけ熱が逃げていってると思うと・・・。これは、もったいないですよね。
複層ガラス(ペアガラス)の表面温度は15.9℃でした。
断熱性能が高いといわれている複層ガラス(ペアガラス)1枚ガラスとはかなりの差がありますね。
ただ、現実は実験前と-6.1℃と熱が逃げていっています。
Low−Eペアガラス(エコガラス)の表面温度は18.1℃でした。
サーもカメラは本当にわかりやすくていいですね。複層ガラス(ペアガラス)との差もはっきりとみていただけると思います。
ガラス以外にも見ていただきたいのは台座です。ガラスから熱が逃げにくので、上の二つのガラスに比べて台座の温度も急激には変化しません。実験前から-3.9℃と、これからはこのガラス以上の断熱性能がスタンダードになるガラスです。
真空ガラス(スペーシア)の表面温度は、19.9℃でした。
氷を入れる前の表面温度が22℃だったことを考えると、約-2℃とういことは、ほとんど熱を伝えていないですね。
真空、真空って難しいようですが、おそらくほとんどの皆さんはこの実験と同じことをされたことがあるともいます。
遠足の時には必ず持っていく魔法瓶です。朝、水筒の中に入れた氷が、家に帰ってくるまでとけずに水筒に残っているなんて事誰もが経験したことあると思います。
魔法瓶は、金属と金属の間が真空層になっている水筒です。真空ガラス(スペーシア)は魔法瓶理論のガラスです!
エアコンをつけたお部屋だとすると、どのガラスを選ぶかはわかっていただけると思います。
今回の実験で室内で冷やされた熱を窓から外へ逃がさない為にはどうすればいいのかわかっていただけたと思います。
これとは別に、暑さの原因は日射熱=直射日光と侵入した日射熱による壁床の放射熱によるところが大きいです。
なので、もう一つのポイントは日射をできるだけ入れないことです。簡単に言うと日陰にすればいいんです。
どうすればいいのでしょうか?方法はいろいろありますが、簡単な方法はすだれ、よしずの活用です。
すだれ?っと思われた方、すだれは馬鹿には出来ませんよ。日本の先人が考え出した知恵は素晴らしいです。
すだれの実験はまた後日やりますね。
この夏のキーワードは、「すだれ」+「魔法瓶理論の真空ガラス・スペーシア」の組み合わせです!